星空


 深夜。
 新浜の市街から離れた海岸沿いの道を走る車。
 車には、捜査のため今日一日遠出をしていて、やっと本部に戻るパズとサイトーが乗っている。
 運転しているのはパズ。助手席のサイトーはうとうとと居眠りをしている。
 と、車が止まったことに気付き、サイトーが目を醒ます。

サ「……どうした。何かあったのか?」
パ「ちょっと休憩だ」
サ「ああ……悪いな、ずっと運転させて。交代するか?」
パ「いやそれはいい。せっかくのドライブなのにお前が寝てるから退屈でな。さっき買った缶コーヒー、飲むか?」
サ「ドライブって……ただの捜査の帰りだろうが。コーヒーは貰う」
パ「目を醒まして話し相手になれよ」
サ「起きてたってどうせ面白い話なんてしないだろ」

 パズから受け取った缶コーヒーを振りながらサイトーが苦笑する。
 海沿いに停めた車から、黒い海が見えている。
 パズが開けた窓から、潮騒が二人の耳に届いていた。
 パズは黙ってハンドルにもたれ、フロントガラス越しに夜空を見上げている。
 つられて空を見上げるサイトー。
 ふたりでじっと空を見上げたまましばし沈黙が降りる。
 しばらくして、パズが口を開いた。

パ「星が降ってきそうな夜だな」
サ「…………(ちょっと驚いたように眉を上げる)」
パ「……(苦笑して)似合わないことを言うとか思ったか?」
サ「…………いや…………。おれもお前と同じことを考えてた」

                         

 ……このあと、チューしたと思います(笑)
 以前MEMOに載せていたものにちょっと手を入れて再利用です。胸焼けがするシロモノですいません・・・。
 パサの日、おめでとうございます!    ...2012.8.3



                                                               → MEMOに戻る