ある朝。



 ある朝。
 公安9課フロアエレベーター前。
 出勤してきたサイトーがエレベーターから降り、入れ違いにヤノとアズマが乗り込むところ。

ヤノ「おはようございます先輩」
アズマ「おはよっす」
サイトー「おう」
アズマ「(すれ違い様振り向いて)……ん?」
サイトー「?」
アズマ「……あ」
ヤノ「どした?」
アズマ「何でもない」

 そのままサイトーは通り過ぎ、二人を載せてエレベーターの扉が閉まる。

ヤノ「さっきの、何だよ」
アズマ「……パズと同じ石鹸の匂い」
ヤノ「は?」
アズマ「サイトーの、身体から」
ヤノ「……は……」
アズマ「さっきロッカールームでパズとすれ違ったじゃん」
ヤノ「あー……」
アズマ「昨日、一緒に帰ってたよな。あの二人」
ヤノ「そう、だったかな」
アズマ「……いや、いいんだけどな」
ヤノ「うん……まあいいけどね」
アズマ「……(気まずい沈黙)」
ヤノ「……(気まずい沈黙)」

 やがて一階に着き、扉が開くと目の前にバトーとトグサが並んで立っている。

トグサ「あ、おはよー。アズマ、ヤノ」
ヤノ「(ちょっと動揺して)あ、おはようございますっ」
アズマ「(ぎょっとして)ああ、お、おはよ。先輩方」
バトー「……おう」

 慌しく降りて駐車場へ走る新人ふたり。

トグサ「……アズマのやつ、何で鼻押さえてたんだろ?」
バトー「さあな」

 アズマの車の前で顔を見合わせるアズマとヤノ。

ヤノ「……(アズマをじっとみつめる)」
アズマ「おれは嗅いでないからなっ! 聞くなよ!」
ヤノ「……うん……。鼻がいいってのもツライんだな、アズマ」
アズマ「……」



                                          終わり



 乱れた職場(笑)。
 アズマは「麻薬犬並みに」鼻がいいんですよね。臭い場所とかカワイソウ。
 新人アズヤノコンビが好きです。

                                                


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